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妊娠中、女性は妊娠ホルモンの影響で、体重が増える
妊娠中、女性の体重は平均で7～12kg増えるといわれています。これは、胎児や羊水、子宮や乳房などの重さの増加に加え、妊娠ホルモンの影響によるものです。
妊娠ホルモンには、食欲増進や水分貯留などの作用があります。そのため、妊娠中は食欲が増進し、水分を溜め込みやすくなるというわけです。
妊娠ホルモンの作用によって、体重が増えることは自然なことであり、健康な赤ちゃんの成長のためにも必要なことです。しかし、体重増加があまりにも多すぎると、妊娠高血圧症候群や糖尿病などの合併症のリスクが高まるため、注意が必要です。
妊娠中の適切な体重増加量は、妊娠前の体重や体型によって異なります。妊娠前にBMIが18.5未満の痩せ型の女性は、妊娠後期までに12kg以上体重が増えると、合併症のリスクが高まるとされています。
妊娠中の体重管理は、無理なダイエットではなく、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることが大切です。
妊娠ホルモンによる体重増加の具体的な原因
妊娠ホルモンの影響による体重増加は、以下の3つの原因が考えられます。
食欲増進
妊娠ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンには、食欲を増進させる働きがあります。
エストロゲンは、食欲を高める働きのある神経伝達物質であるドーパミンの分泌を促す働きがあります。そのため、妊娠中は以前よりも甘いものや脂っこいものが欲しくなることがあります。
プロゲステロンは、胃腸の働きを鈍らせる働きがあります。そのため、食欲がなくても食べ物を口に入れると、すぐに消化されてしまい、食欲が増進することがあります。
また、妊娠中は、胎児の成長や母体の体温維持のために、エネルギーを多く消費します。そのため、食欲が増進してエネルギーを補うという説もあります。
妊娠中の食欲増進は、自然なことであり、無理に抑える必要はありません。ただし、食べ過ぎないように注意が必要です。
以下に、食欲増進を防ぐためのポイントをご紹介します。
食事を小分けにして、こまめに食べる
野菜や果物などの食物繊維を多く含む食品を摂る
水分補給をこまめに行う
ストレスを溜め込まない
妊娠中の食欲増進は、妊娠中の女性にとって大きな悩みのひとつです。無理なく食欲をコントロールして、健康的な体重増加を目指しましょう。
水分貯留
妊娠中の水分貯留は、妊娠ホルモンのエストロゲンによる影響が大きいと考えられています。エストロゲンは、毛細血管の浸透性を高め、尿細管でナトリウムの再吸収を促す働きがあります。そのため、水分が血管や組織内に溜まりやすくなり、むくみや体重増加につながります。
水分貯留は、妊娠中期から始まり、妊娠後期にかけて最も顕著になります。妊娠後期には、胎児の体重も増えるため、体重増加の原因として大きくなります。
水分貯留を防ぐためには、以下のことに気をつけることが大切です。
塩分の摂り過ぎに注意する
水分を十分に摂る
適度な運動をする
塩分の摂り過ぎは、体内の水分を溜め込みやすくするため、注意が必要です。水分を十分に摂ることで、体内の水分バランスを保つことができます。また、適度な運動は、血行を良くしてむくみ解消に役立ちます。
ただし、水分貯留は妊娠中の自然な現象であり、完全に予防することはできません。むくみがひどい場合は、医師に相談しましょう。
以下に、水分貯留を防ぐための具体的な方法をご紹介します。
塩分摂取量を1日6g未満に抑える
1日1.5～2Lの水分を摂る
ウォーキングや水泳などの有酸素運動を週3回以上行う
長時間の立ち仕事や同じ姿勢を続けることを避ける
就寝時に下肢を高くして寝る
これらの方法を参考に、無理のない範囲で水分貯留を予防しましょう。
筋肉量の減少
妊娠中は、胎児の成長や子宮の拡大によって、体幹部や骨盤周りの筋肉が大きく伸びます。そのため、筋肉量が減少し、筋力も低下します。
筋肉量の減少は、以下の2つの原因が考えられます。
- エストロゲンの影響
エストロゲンは、筋肉の合成を抑制する働きがあります。そのため、妊娠中は筋肉の合成が抑制され、筋肉量が減少します。
- 運動量の減少
妊娠中は、つわりや体調不良などで運動量が減少しがちです。運動不足は、筋肉量の減少をさらに促進します。
筋肉量の減少は、以下のデメリットがあります。
- 体型が崩れやすくなる
- 出産時の体力低下
- 産後の回復が遅れる
妊娠中の筋肉量の減少を防ぐためには、以下のことに気をつけましょう。
- バランスの良い食事
たんぱく質をしっかりと摂取することで、筋肉の合成を促進することができます。
- 適度な運動
ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、筋力維持に効果的です。
妊娠中の筋肉量の減少は、自然な現象ではありますが、適切な対策をすることで、デメリットを軽減することができます。
妊娠中の体重管理のポイント
妊娠中の適切な体重増加量は、妊娠前の体重や体型によって異なります。妊娠前にBMIが18.5未満の痩せ型の女性は、妊娠後期までに12kg以上体重が増えると、合併症のリスクが高まるとされています。
妊娠中の体重管理は、無理なダイエットではなく、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることが大切です。
バランスの良い食事
妊娠中は、赤ちゃんの成長に必要な栄養素をしっかりと摂取することが大切です。ただし、カロリーを過剰に摂り過ぎると、体重増加につながります。
妊娠中の食事のポイントは、以下のとおりです。
- 主食、主菜、副菜をバランスよく摂る
- 野菜や果物を十分に摂る
- 乳製品や卵を積極的に摂る
- 加工食品や菓子類の摂り過ぎに注意する
適度な運動
妊娠中は、無理のない範囲で適度な運動をすることが大切です。運動は、体重増加を防ぐだけでなく、血行を良くして便秘やむくみ解消にも役立ちます。
妊娠中の運動のポイントは、以下のとおりです。
- ウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめ
- 1日30分程度を目安に行う
- 息が苦しくなったり、体調が悪くなったりした場合は、すぐに休む
妊娠中の体重増加は、自然なことであり、健康な赤ちゃんの成長のためにも必要なことです。ただし、体重増加があまりにも多すぎると、合併症のリスクが高まるため、注意が必要です。妊娠中の体重管理は、無理なダイエットではなく、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることが大切です。
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